手術

当院の手術について

安心で安全な治療を目指して


当院では、動物にとっても飼い主さんにとっても安全で安心できる手術を行うために、一頭一頭に対して、麻酔管理を含めた手術計画を立てています。動物たちにとって負担が少なくなるように的確で安全な手術を目指し、術前の検査をしてから手術を行います。周術期の痛みや、悪心、不安感などについても配慮しています。

麻酔について

・年齢や病気の進行状態、各臓器の異常等により、麻酔方法を選択します。
・全ての手術に対して、気管チューブを挿管し十分に酸素を供給します。
・血管確保を行い、術中の静脈点滴を実施します。
・皮膚縫合は、皮内縫合を併用するなど、術後のトラブルが起こりにくい方法を実施します。

ご来院までの注意点

手術の前日


夜の食事と水はいつもと同じように与えて下さい。ただし、夜9時以降は絶食でお願いします。
水は与えて頂いて大丈夫です。

手術の当日


手術当日、早朝9時以降は水も与えないで下さい。12時間以上絶食・6時間以上絶水の状態で御来院下さい。
また当日は激しい運動や興奮は避け、なるべく安静にしてください。
予め入院治療を行っている動物さんの場合は、当院で手術に向けての術前管理を行います。

手術の流れ

  • 01

    術前検査

    手術の前には、問診・視診・触診などの一般身体検査や、血液検査を行って準備を整えます。手術や麻酔はどうしてもリスクが伴うものなので、これらの検査をもとに考えられるリスクを把握して手術や麻酔の計画を立てていきます。
    場合によっては、上記検査のほかに、レントゲン検査、超音波検査などさらに詳細な検査を行います。

  • 02

    術前準備

    手術前に食事・飲水の制限が必要となります。手術内容によって変わりますので、事前に指示をさせていただきます。必要に応じて自宅にて術前の栄養剤給与をお願いしております。
    手術中のリスクを少しでも減らせるように、動物たちの状態に適した抗生物質や消炎剤、鎮痛剤、鎮静剤、制吐剤、胃酸抑制剤、点滴などを術前から投与します。

  • 03

    麻酔導入

    注射や吸入麻酔薬など、動物の状態に合わせた麻酔薬・方法で導入を行います。麻酔薬の効果には個体差があり、同じ薬で同じ用量でも効果が異なることがあります。呼吸停止、不整脈、低血圧、アレルギーなど様々な有害な反応が起こることもあります。麻酔薬の効果を予測しつつ、動物の反応をみて、適切な麻酔導入が行えているか評価しながら実施していきます。麻酔薬は使ってみないとわからない部分がありますので、導入時は特に注意しながらすすめていきます。

    基本的には導入時に気管チューブを挿入して、気道をしっかり確保した状態で麻酔管理を行います。

  • 04

    麻酔維持

    麻酔導入後は、手術が適切に行えるように麻酔深度の調節や痛みのコントロールをしていきます。ほとんどの場合、人医療でも用いられる安全性の高いガス麻酔で麻酔維持を行います。
    状況に応じて鎮痛薬を持続点滴もしくは随時投与し、痛みのケアを行っていきます。
    手術中は予定通りに麻酔が安定しているか、聴診・視診・触診、心電図・血圧・呼吸数・酸素飽和度などが確認できるモニターで監視していきます。

  • 05

    手術

    手術には様々な注意点があります。その1つに感染があります。手術部位にもよりますが、動物は被毛で覆われているため、術前に手術する部位の被毛を十分に刈り、感染ができるだけ起こらないように消毒をします。また消毒されていない部位に接触しないように滅菌布をかけて、滅菌された器具を使用して、手術を行っていきます。

    生き物である以上絶対はなく、さまざまなイレギュラーが起こりえます。手術に臨むにあたり、動物たちにとって何が良いかを考えながら手術をしていきます。もちろん基本は手術の目的をしっかりと果たすことですが、できたら負担が少なくなるよう痛みのコントロールをしたり、手術部位を小さくしたり、手術時間を短くなるようにしたりと努力しています。麻酔が安定しないなど、不測の事態が起こった場合には動物たちの命が最優先ですので、手術自体を中止させていただくこともあります。

  • 06

    覚醒

    麻酔に関するトラブルが起こりやすいのは、麻酔導入とこの麻酔が覚めるまでの時間「覚醒期間」となりますので、経過を注意深く見守っていきます。
    手術後に麻酔が覚めると、痛みを感じ始めたり、いつもとは違う光景に不安を覚えたりします、場合によっては鳴いたり暴れたりすることがあります。なるべくこういったことがなく穏やかな覚醒が得られるように事前の麻酔計画を練って実践していきます。

  • 07

    術後のケア

    なるべく早く元気になって、自宅で過ごせるようになっていただきたいと考えており、早期の栄養給与、痛みの管理をはじめとしたさまざまな術後ケアを実施していきます。ご自宅での管理が難しい、ご不安があるなどがありましたら、相談に応じてしばらくお預かりさせていただくこともあります。

周術期管理について

周術期管理とは、手術を受ける動物の周術期(手術前、術中、術後の一連の期間)期間中に行われる、(1)術前:評価・手術に向けての準備、(2)術中:麻酔、(3)術後:疼痛・呼吸管理および重症管理、のことを指します。

当院における安心安全な治療を目指しての周術期管理法についてのいくつかの項目をピックアップしてご説明致します。

疼痛管理について

当院では痛みのケアを積極的に行うことで、動物たちに起こる様々な弊害を減らすよう努めています。

ページトップへ戻る